東日本メルケル協会通信#002

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銃砲店がホームページを充実させるようになった現代においては、実際に販売しているメルケル303を探すのことは以前よりも容易になりました。

当協会が銃砲店にあるメルケル303を勝手に鑑定したうえでおすすめする企画、今回は岩本山射撃場のHPに掲載しているメルケル303をご紹介しましょう。

http://www.iwamotoyama-s.com/assets/gunbuy/S-194.pdf

本個体は直接、見聞していませんが画像で判断する限り状態は良好であると伺わせます。先台、元台ともに使用感が少なく、オーナーが元台を改造した痕跡も見当たりません。細部の造形から判断すると1970〜72年頃に製造された個体であると推測されます。

珍しいことに元台はチークピースの位置が高く形成され、僅かにベンドが浅くなっています。一瞬、台木は日本国内で作り直したものかと疑念が生じましたが、細部の造形を観察すればメルケルのオリジナルであると判断できます。

メルケル303はほとんど使われずにオーナーの元で保管され、良好な状態を保ったまま銃砲店へ譲渡されている場合が多いようです。そうは言っても製造されてから半世紀以上が経過した銃なので、そのまま実用に供するには問題があります。銃を所持したら現状をよく確認して、機関部の手入れをしてから射撃に使用してください。

メルケルはハレの日に射撃場へ持ち出して、ちょっとだけ撃ったらすぐに手入れしてケースに仕舞うような銃でした。そんなエピソードを楽しんで聞けるくらいの、心に余裕のある方に所持してもらいたい銃、それがメルケル303なのです。